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第9回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム

2013年12月8日に、群馬大学荒牧キャンパスにおいて第9回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムを開催しました。このシンポジウムは、筑波技術大学に事務局を置く、日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)が毎年1回開催しているもので、PEPNet-Japanの活動成果をより多くの大学・機関に向けて発信するとともに、全国の高等教育機関における支援実践について情報交換をするものです。

午前中は分科会として、「基礎講座 ニーズに寄り添う聴覚障害学生支援とは−群馬大学の今までとこれからー」、「面接にチャレンジ!−聴覚障害学生と就職活動−」、「聴覚障害学生と授業アクセス−「語学授業」における支援−」、「聴覚障害学生支援担当者の役割とは−「見守る支援」の脱構築を目指して−」の4つのテーマが設けられ、どの会場でも熱心に聞き入る参加者の様子が見受けられました。

続いての全体会Ⅰでは特別講演が2つ設けられ、文部科学省高等教育局の担当官から「我が国の障害者施策の動向と大学等における今後の対応」と題した講演をいただきました。続けて「聴覚障害学生支援と「合理的配慮」をめぐる日本の動向−障害者差別解消法を中心に−」と題して、聴覚障害当事者であり弁護士でもある田門浩氏から聴覚障害学生支援における合理的配慮について、より具体的な事例を挙げてお話し頂きました。

その後は、アフタヌーンセッションとして、複数の企画が行われました。毎年の恒例となった「聴覚障害学生支援に関する実践事例コンテスト」では、各大学の特色ある取り組みがポスター形式で発表され、会場のあちこちで熱いプレゼンテーションが繰り広げられていました。また「ミニセミナー」では「聴覚障害学生支援はどう研究で結びつくか」、「PEPNet-Japanってどんな組織?」、「『障害のある学生の修学支援に関する実態調査』から見た聴覚障害学生支援の現状と課題」の3つのテーマを取り上げ、それぞれ30分程度でわかりやすい解説が行われ、参加者の関心を集めていました。その他、各分野の専門家とじっくり話ができる「相談コーナー」では、聴覚障害学生の就職活動や学内の支援体制などに関する相談が寄せられ、講師から丁寧な回答に相談者が深くうなずく場面が見受けられました。

年々参加者が増加している本シンポジウムの開催にあたりましては、実行委員や講師等、多くの方々にご協力頂きました。また、ご参加頂きました皆様にも厚く御礼申し上げます。

2014年2月吉日

日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)事務局


■分科会

[分科会1]
「基礎講座 ニーズに寄り添う聴覚障害学生支援とは−群馬大学の今までとこれからー」では、平成16年度に全国で初めて授業の情報保障のために手話通訳者を職員採用するなど、学生のニーズに応じて最適な情報保障を提供するよう努めてきた群馬大学の取り組みについて、群馬大学教育学部に在籍中の山本綾乃氏の司会で、3人の講師からの報告がなされました。まず初めに、群馬大学大学院に入学するにあたって入学当初から日本手話による情報保障を希望してきた下島恭子氏から、手話通訳へのこだわりや、聴覚障害学生への情報保障のあり方について、当時を振り返ったお話がありました。次に、群馬大学初の障害学生支援室職員として採用された茂木京子氏から、質の高い手話通訳を実現させるためにどのような工夫や取り組みをしてきたかが話されました。そのあと、支援体制整備を進めてきた渦中の教育学部長であった松田直氏から、体制構築にあたって考えてきたことについて報告がされました。最後に、聴覚障害学生のニーズに即した支援について、指定討論者の金澤貴之氏からの発言がありました。

[分科会2]
「面接にチャレンジ!−聴覚障害学生と就職活動−」では、企画コーディネーターである筑波技術大学副学長の石原保志氏を司会に、聴覚障害学生の就職活動に焦点を当てた本番さながらの模擬面接が行われました。模擬面接では、事前に聴覚障害学生から協力者を募集し、エントリーシートを記入してもらったうえで、聴覚障害学生同士の模擬面接、アドバイザーが面接官となった模擬面接の2つに臨んで頂きました。中には面接官役からの厳しい質問もあり、学生が回答に窮する場面もありましたが、今後の就職活動に向けた貴重な体験になったことと思います。また、アドバイザーからの助言は、大学等で就職支援に関わる教職員の方々にも大変参考になったと高い評価が得られました。たくさんの聴衆が見守る中での模擬面接はとても緊張したことと思いますが、協力してくださった学生のみなさん、本当にありがとうございました。

[分科会3]
語学の授業にテーマを絞った「聴覚障害学生と授業アクセス−「語学授業」における支援−」では、企画コーディネーターの田中啓行氏(早稲田大学障がい学生支援室)の司会で進められました。聴覚障害学生が受講する語学授業における教員の教授法の工夫や配慮に関して、2名の講師からの実践報告を基に参加者同士の議論が活発に行われました。まず札幌学院大学の大池京子非常勤講師から、英語の授業におけるご自身の取り組みと、聴覚障害学生や支援学生へのアンケート等でその実践を検証した研究に関する報告がなされました。続いて筑波技術大学の細野昌子氏より、筑波技術大学における語学教育アカデミックアドバイザーの取り組みと、大学における語学教育に関するアンケート調査の報告がありました。その後のフロアとのディスカッションでは、聴覚障害のある参加者から自身の語学学習に関する体験談や留学経験などについて積極的な発言があり、おおいに議論が盛り上がりました。

[分科会4]
「聴覚障害学生支援担当者の役割とは−「見守る支援」の脱構築を目指して−」は、関東聴覚障害学生サポートセンターの岡田孝和氏の司会のもと進められました。まず初めに同センターの倉谷慶子氏から、現在各大学等で取り組まれている聴覚障害学生支援について、情報保障者を配置することがゴールになっていないか、教職員の適切な介入はできているか、等の問題提起がなされました。そのうえで「見守る支援」ではなぜ不十分なのか、聴覚障害学生の成長のためにどのような支援が必要か、等について、2度のグループワークが行われました。グループワークの合間には、提言者の長野留美子氏およびコメンテーターの吉川あゆみ氏から、自身の経験を踏まえての提言・発言がなされ、より深い討論のきっかけとなりました。なお、2度行ったグループワークのうち1度目は情報保障者を配置せず、参加者同士で工夫してコミュニケーションを図って頂きましたが、2度目には手話通訳や文字通訳を必要に応じて配置しました。参加者はその体験も含めて、それぞれの聴覚障害学生支援への関わりを見つめ直されたのではないかと思います。

■全体会Ⅰ

[特別講演Ⅰ]
特別講演Ⅰでは、文部科学省高等教育局学生・留学生課厚生係・就職指導係長田畑潤司氏に「我が国の障害者施策の動向と大学等における今後の対応」と題したご講演をいただきました。30分という短い時間にも関わらず、障害者権利条約への批准に向けた国内の動きや、「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ)」について内容の濃い報告がなされ、参加者は熱心に聞き入っていました。

[特別講演Ⅱ]
特別講演Ⅱでは、「聴覚障害学生支援と「合理的配慮」をめぐる日本の動向−障害者差別解消法を中心に−」をテーマに、聴覚障害のある当事者でもあり、弁護士として活躍されている田門浩氏からご講演いただきました。障害者差別解消法を中心に、日本の法律で「合理的配慮」がどのように規定されているか、どの程度行わなければならないものか、どこからが「過度の負担」になるのか、など、具体的な事例を挙げながらわかりやすく解説いただきました。

■アフタヌーンセッション

午後は、アフタヌーンセッションとして、複数の企画が行われました。
毎年の恒例となった「聴覚障害学生支援に関する実践事例コンテスト」では、19団体から寄せられたポスターが並べられ、会場のあちこちで熱いプレゼンテーションが繰り広げられていました。
→『聴覚障害学生支援に関する実践事例コンテスト2013結果発表』のページへ

昨年度から設けられた「ミニセミナー」では、以下の3つのテーマについて、各30分程度でわかりやすく解説されました。
・聴覚障害学生支援はどう研究と結びつくか
  講師:中野聡子氏(広島大学)
・PEPNet-Japanってどんな組織?
  講師:高橋信雄氏(愛媛大学/PEPNet-Japan運営委員長)
・「障害のある学生の修学支援に関する実態調査」から見た
                聴覚障害学生支援の現状と課題
  講師:伊藤努氏/榎元光治氏(独立行政法人日本学生支援機構障害学生支援課)

同じく昨年度から実施している「相談コーナー」では、「支援体制に関すること」「コーディネート業務に関すること」「聴覚障害学生の研究活動に関すること」「聴覚障害学生の就労に関すること」に関する相談を受け付けました。参加者はお目当ての講師に日頃の悩みを打ち明け、中には長時間にわたって話し込みながら、講師からの丁寧な回答を受けていました。
「聴覚障害学生支援に関する機器展示」では、以下の発表がありました。
・聴覚障害学生向けソフトウェア操作教示ツール「SZKIT」(筑波技術大学産業技術学部鈴木拓弥講師/保健科学部小林真准教授)
・ウェブブラウザによるオンライン文字通訳システム「captiOnline」(筑波技術大学産業技術学部若月大輔准教授)
・匿名コミュニケーションのための手話映像表現(筑波技術大学技術科学研究科大学院生)
その他、PEPNet-Japan連携大学・機関活動紹介ブースでは、全国の連携大学・機関の活動や各事業の取組がパネルで紹介されました。


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「聴覚障害学生の意思表明支援のために」発行!

平成28年度モデル事例構築事業の成果として以下の冊子を発行しました。

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