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Q 聴覚障害学生に対して全般的にはどのように配慮したらよいですか?

■聴覚障害学生のコミュニケーション特性
聴覚障害学生にあっても障害の程度や生育環境によりコミュニケーションの特性には個人差があります。詳しくは他シートに譲りますが、情報保障の具体的な方法は個々の学生に即して検討する必要があるので、授業に先立ち、学生本人および情報保障者に確認しましょう。

■聴覚障害学生との対話
授業以外の場で聴覚障害学生と対話する際は、通訳を介さず、直接コミュニケーションしましょう。このことは教員と学生の間の信頼感を高めることにつながります。学生の発話がわかりにくいときは、わかったふりをせずに言い直しや筆談を求めましょう。また学生の様子を見ながら話し、伝わっていないと感じたときには躊躇せずに書いて伝えましょう。

■補聴器の限界
重度または最重度の聴覚障害者は、補聴器をつけても話しことばを聞き取ることは困難です。また、一対一の対話では補聴器を介して話しことばを聞き取ることができる学生であっても、離れた距離での話し声や騒音がある中での聞き取りは困難になります。教室では教員と学生が離れているのが一般的で、板書の音、紙をめくる音、学生同士の話し声など様々な音が充満しています。したがって聴覚障害学生が補聴器を装用していたとしても、授業においては視覚的手がかりが必要であると考えるべきです。

■学生自身の情報保障に関する意識
障害に対して十分な配慮がある授業に参加したことのない聴覚障害学生の中には、高校までの経験から、授業は分からなくても「仕方がない」、勉強はテキストを使って「自分ひとりで」行うものと考える者もいます。しかしテキストに頼らない大学の授業ではそのような訳にはいかず、情報保障の必要性に気付いた時には多くの授業の単位を落としてしまっているということも珍しくありません。このような事態に陥らないよう、新入の聴覚障害学生に対しては、情報保障のある授業を体験したり、情報保障に関わる講習や会議などに参加したりする機会を与え、その有効性や方法について、理解を促すことが肝要です。

■情報保障の役割と範囲
授業内容を学生に理解させることが教員の責務であるとすれば、授業内容を伝える情報保障者はその教員を支援していることになります。授業では、全ての音声情報が情報保障の対象であり、教員の発言のほか、学生の発言や聴覚障害学生自身の発言も保障される必要があります。また冗談や授業内容に直接関係がない挿話なども、授業の雰囲気や教員の人柄を把握する上で欠かせない情報です。このことを念頭に置き、通訳環境には十分に配慮しましょう。

TipSheet「授業における教育的配慮」石原保志より
(2007/11/30)


参考になる資料
授業における教育的配慮については、以下のTipSheetに概要がまとめられています。

チップシート教育的配慮1チップシート教育的配慮2

TipSheet「授業における教育的配慮 ⑲」
 石原保志(筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター教授) 
 聴覚障害学生への情報保障の意義
 全般的な留意事項
 授業における留意事項
 (1)講義形式の授業
 (2)ゼミ形式の授業
 (3)体育などの教室外の授業
 (4)実験や実習
→ダウンロード(pdf)



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