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聴覚障害学生のニーズを活かした支援体制作り
 3.各段階に応じた支援−(3)主体的活用段階での支援−


顔マーク3
ここにきて、一方的に支援を受ける段階を脱して、利用者としての意識が芽生えていきます。「同じ聴覚障害の友達がいる」というところからさらに踏み込んで、支援の内容やあり方について議論を重ねる姿が見られるでしょう。どちらかと言えば、上級生や大学院に通う聴覚障害学生が多いかもしれません。

支援例 5

ある聴覚障害学生は、E大学大学院に進学するにあたって、より高度な通訳を受けたいと思っていたところ、教員から遠隔通訳の相談がありました。新しい手段の通訳なので不安はありましたが、教員自らが遠隔通訳に取り組んでいること、専門性の高い通訳者を確保できたことから、乗り出してみることにしました。
講義のたびに、教員、通訳者、聴覚障害学生の3者での反省会があり、忙しい日々ですが、自分もサポートに加わって試行錯誤しているのを実感します。

支援例 6

聴覚障害学生を受け持つF大学のある教員は、4年生になった聴覚障害学生から相談を受けました。「専門講義で手話通訳をつけているけれども、講義中は手話通訳を見ているからノートが取れなくて困っている」というものでした。当初は教員が自分でパソコンを持ち込んでテイクをしてみましたが、すぐに頓挫しました。通常のノートテイクは2人体制で行なわれていますが、この講義のみ1人テイクとして予算を確保し、ノートをまとめてもらうようにしています。


この段階では、従来の支援にはない新たなサポートを求める学生や、一つの支援に多くを求める学生も現れてきて、大学側も戸惑うところかもしれません。不満が噴出しやすい時期でもありますが、自分の要求を言語化できるようになった証として受けとめていきたいところです。すべての要求に応じるのが厳しい場合も、「できません」と却下するのではなく、「それは○○という理由で厳しいけれど、こういう方法はどうか」と大学としての代替案を示すことが欠かせないでしょう。お互いの事情をすり合わせて建設的に話し合い、折り合っていく過程が、聴覚障害学生にとっても自信となっていくようです。

概してこのような学生は、後輩や通訳者に熱心に関わるようになりますし、後々、サポートを受ける立場から自らサポートを提供する立場に回る人も見られますので、長い目で見守りたいものです。


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